地元の弓弦羽神社では、新春行事として、
毎年元旦に「鏡開」が催されます。
灘五郷で有名な地酒の菊正宗・白鶴・剣菱の樽酒を開き、
于支イラスト入りの塗桝に注いで、初詣参拝客に振る舞うというもので、
酒の銘柄は好みで選べ、塗枡はそのままプレゼントされます。
母は一つずつ干支枡が増えていくことを楽しみにするようになり、
元旦はお節を食べた後に必ず弓弦羽神社に初詣に出かけていきます。
ところがこのコロナ禍です。
一昨年は大晦日に神社のホームページを確認すると、
先着で枡の配布は行われるとありました。
ただし密を避けるためか、配布開始の時間が分かりません。
母は枡が午前0時から配布されるのかと気にしながらも、
例年とおり年越しを待たずに就寝しました。
それでもやはり気になったのか、夜も明けないうちに起き出し、
「やっぱり行ってくる」と真っ暗な寒い中を一人で歩いて出かけました。
「なかったわ・・」かなりの落胆で戻ってきた母。
境内は真っ暗で、人の気も何もなかったようです。
次に丑年の絵柄が手に入るのは12年後。
あと数年で干支が一巡し全ての干支枡が揃うと楽しみにしていただけに、
とにかく残念でならない様子でした。
こうして干支が一つ欠けてしまいましたが、
今年の元旦は、午前0時より1,300名・午前10時より700名に塗枡配布、と
事前に情報を入手できたため、
毎年の慣習とおりお節を食べてから弓弦羽神社に初詣に行き、
無事に振る舞い酒と寅年の絵柄の枡をいただくことができました。
(境内で枡を手にするまでに諸々ありましたが、終わり良ければ全て良し)
さて、2月3日は母の誕生日です。
この日のためにとても特別なプレゼントを用意することができました。
まさかの「丑の枡」です。
実は、昨年丑の干支枡が手には入らなかったエピソードを、
職場の友人に話していました。
断捨離のためにメルカリで不要品を売っていると話していた後輩が、
もしかしたら枡も出品されているかもと検索してくれたところ、
猪などの古めの干支が2、3品出品されていることが分かり、
来年寅年になったら丑年の枡が出品されるかもね、なんて冗談を言っていたのです。
するとその冗談がまさかの現実に。
「やりました〜!」とプレゼント包装した枡を持ってきてくれたのです。
まさか一年前に話したことを覚えていてくれて、チェックしてくれていたなんて!
しかも奇しくも翌日が母の誕生日。
感激と感動で高校生のように大騒ぎしました(笑)。
この特別なプレゼントを、昨日実家に届けてきました。
まず両親にヒントを出して当ててもらいます。
最初のヒントは「お母さんが欲しがってたもの・縁起物・季節物」
両親は全く想像ができません。
そこで次のヒントは「元旦・毎年お母さんが楽しみにしているもの」
これには両親揃って「枡!」
えー、でも枡って?と半信半疑ですが、
丑年柄の干支枡を見せると「うそ〜!」とふたりとも大笑い。
母は、諦めがつかなかず弓弦羽神社の社務所に掛け合おうとまで思っていたそうで、
まさかの干支枡プレゼントに驚きと大喜びです。
この枡も私が神社に譲ってもらったのかと思ったそうですが、
メルカリで出品されていたことを話すと、
「まぁ!販売するなんて許されない」と真面目に咎めながら、
でもこうして入手できたのだからと目をつぶっていました(笑)。
改めて枡コレクションを並べてみると
丑のおかげで残りあと2年で完全一揃え。
なかなかすごい!
驚きと笑いと幸せを運んでくれた枡と、職場のSさんに感謝です。
(忘れないように久しぶりにブログに書きました)