雨の日曜日に

一日よく降った昨日の日曜日。
雨脚も強かったので外出は控えたいところでしたが、
予定通りシネマ歌舞伎を観るために三宮まで。

 

1週間期間限定で上映中の『二人藤娘/日本振袖始』。
1日2回の上映しかなく、
土曜日は仕事のために都合が合わず、
日曜日が唯一のチャンスだったのです。

 

ちょうど母の日だと気がつき、
前もって母に声をかけてみたところ
あいにくその日は山行きの予定があるということで
今回は1人で観に行くつもりだったから、
雨足を見て取りやめることもできたのだけれど、
やっぱり観たい気持ちが勝って
珍しく雨の中のお出かけでした。

 

さて、まずは「二人藤娘」。
本来は一人で演じる女形舞踊の「藤娘」を、
坂東玉三郎さんと中村七之助さんの二人が演じた舞台です。
美しい藤が咲き誇る舞台の上を女でも見とれてしまう二人が
艶やかに舞い、華やかで美しい芸術のような作品でした。

 

変わって「日本振袖始」。
八岐大蛇(やまたのおろち)伝説をベースに
近松門左衛門が書き上げた演目だということや
作品の題名の由来やストーリーなどを
シネマ歌舞伎としての本作品の編集・監督した
玉三郎さんご自身が語る映像が冒頭にあったおかげで、
すんなりと理解することができました。

 

藤娘に続いて妖艶な美しい姫の姿の玉三郎さん、
後半は大蛇退治にやってきた素盞嗚尊(すさのおのみこと)を演じる
中村勘九郎さんと大蛇が大立ち廻り繰り広げられますが、
まさか恐ろしい鬼のような大蛇が玉三郎さんだとは信じられない変貌ぶり。
八頭の蛇の動きと主役二人の立ち回りは本当にダイナミックで、
思わず声が出るほどのザ・歌舞伎のエンタテインメント。

あー、来てよかったな、と思う90分でした。
やっぱり母も一緒に観られたらよかったなぁ。

 

さて、用事を済ませて家に帰り、やっぱり気になって
「母の日なのに何もせずごめんね。また別の機会にするね!」と
母にメールをしたらすぐに返事がありました。
「一日よく降るね。今日は家でゆっくりしてました」。
そうだよね、これだけ雨が降ったら山行きだって中止になるよね・・・。
だったら朝出かける前に電話すればよかったな。

 

というわけで、お母さんまたの機会を待っててね。
いつもどうもありがとう!!!