日本に戻るにあたり、帰国日を決めることは簡単ではありませんでした。
働いていたワイナリーの繁忙期が終わるまで、とカナダに腹をくくったものの、
それ以外にはカナダ滞在にも日本帰国にも差し迫った理由があるわけでもなく、
伸ばし伸ばしにしようと思えばできたからです。
そうしたとき、春に一時帰国したときに日本の桜に癒されたことを思い出し、
それでは今度は8年ぶりに日本の紅葉を見てみたい、という気持ちが
11月早々の帰国の決め手になりました。
ワイナリーの仕事を終えたのが10月26日(日)、
それから10日間で荷づくり、友達やお世話になった方々へのお礼とお別れ、
ペーパーワークなどを半ば強引に終わらせて、11月5日にカナダを発ちました。
それから2週間。
やっと紅葉が美しく見られるような気候になりました。
先日駅で見つけた「嵐山へは、臨時直通列車が便利です。」のチラシ。
阪急電車が11月の週末限定で神戸と嵐山間乗り換えなしの臨時特急を
運行しているというのです。
しかも、11月17日(月)~21日(金)の1週間は平日運行も。
自分の時間を自由に使える身の私にはぴったりです。
というわけで行ってきました、嵐山。
11月19日(水) 阪急岡本駅11:01発の電車に乗りました。
嵐山駅へは12:13着。乗り換えもないのでのんびりと車窓を眺めたり、
本を読んだり、うとうとしたり。
電車マニアらしき人々が乗り合わせていて、彼らを見ているのもまた楽しい。
快適な1時間10分の電車の旅になりました。
さて、嵐山駅到着後。
地図も下調べもなくカメラとおにぎりだけを持ってやってきた私は、
周りの人が歩いていく方向へ流れます。
まずは有名な渡月橋から。
写真を撮りながら適当に歩き回るつもりでしたが、
たくさんの人手にびっくりです。
すっかり日本の人口密度を忘れていました。
世界第2位の面積をもつカナダ国全体の人口と東京の人口はほど同じ。
日本の人口密度はカナダの100倍もあります。
それにしても、静かな平日を選んだはずなのにこの人混み?
とにかく人が少なそうな場所を選んで歩くしかありません。
カエデやたくさんの木々に囲まれた緩やかな丘凌地に辿り着きました。
見晴らしの美しい展望台があり、広場や休憩所も整備されたここは
嵐山公園亀山地区と言うそうです。
自然の中での紅葉を楽しみにしていた私にはぴったり。
ベンチに座っておにぎりも食べました。
公園内をひとしきり歩いたあと、迷いながら適当に歩いていると、
ものすごい人だかりの場所に出ました。
有名な竹林の道です。
残念ながら写真でみる静寂なイメージは全くなし。
人が多すぎて写真を撮ることさえままなりません。
人手に辟易して時計を見るとまだ2時前です。
帰りの直通特急が嵐山16:14発なのでまだかなり時間があります。
どうしようかと悩みながら通り過ぎたのが天龍寺。
門前に「紅葉見頃」の看板が出ています。
せっかく紅葉を見に来たのだから人混みに負けるわけにはいかないと、
500円の入園料を支払って庭園へ。
園内もすごい人でしたが、美しい紅葉を愛でることができました。
渡月橋に戻ったのは3時過ぎ。
予定変更して通常ダイヤの電車で早く帰るか、あと1時間時間をつぶすか。
結局、始めに歩いた桂川の対岸を上流に向かって歩きました。
人気のない川沿いの道はひんやりと冷たくて落ち着きます。
片道30分ほどゆっくり歩いてから折り返し嵐山駅へ。
予定通り16:14発、岡本17:27着の臨時直通列車に乗って帰宅しました。
一日プチ旅行気分で紅葉狩りを楽しむことができたので気持ちは満足。
でも人混みに慣れるにはしばらく時間がかかりそうです。