沖縄日記③

 

8月12日(月)

 

この日はガイド付きツアーに参加します。

こちらに来る前までは、中日2日目は自分のペースでゆっくりと、

首里城周辺を散策してからホテル涼みと考えていたのですが、

結局はやっぱり貧乏性。

せっかくなのでいろいろ見て学びたくなります。

しかもこの暑さで、自分一人ではきっとまともに散策できず、

諦めて引き返すことが目に見えています。

というわけで、急遽前日の観光バスのなかで思い立って

翌日のツアーを検索し、読谷村へ向かう途中で申込みを済ませました。

 

滑り込みで参加が決まったのは、

琉球王国最高の聖地とされた「斎場御嶽」(せーふぁうたき)と、

その琉球王国時代から数々の神事が行われ ”神の島”と呼ばれる「久高島」を

南城市教育委員会認定の地元ガイドつきで巡るツアーです。

 

御嶽(うたき)とは、南西諸島に広く分布している聖地の総称で、

斎場御嶽は、その御嶽の中で最も神聖な場所とされ、

2000年に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」のひとつとして

ユネスコ世界遺産に登録されています。

そしてこの御嶽を作ったとされる琉球王国創世神アマミキヨ」が

最初に降り立ったのが久高島だと言われているそうです。

いずれも謂れある神聖な場所。襟を正してしっかりと、

沖縄の歴史や習慣を学びながら観光しようと選びました。

 

ツアーは地元ガイド付きかつ那覇市内のホテル送迎付きです。

朝は8時25分にホテル前まで迎えに来てくれました。

ピックアップは私が最後で、小さなバンにすでに4名が乗っています。

参加者は私のようなひとり参加とふたり組が一組の計5名です。

みなさん真面目そうで安心です。

 

那覇市から沖縄南部の南城市まで車で約1時間。

橋からの眺めが絶景と有名な「ニライカナイ橋」を通過しました。

正式には、構造形式が異なる二つの橋「ニライ橋・カナイ橋」なのだそうで、

大きくカーブを描く橋からはパノラマの絶景が見渡せます。

 

ちなみに「ニライカナイ」とは、

古来から沖縄地方で海のかなたや海底にあると信じられる理想郷のことで、

沖縄に残る神話では、ニライカナイから神々が人間の世界を訪問し、

人間に豊饒繁栄をもたらすと伝えられているそうです。

 

ニライカナイ橋を降りたらほどなく、9時半には斎場御嶽に到着しました。

ここで添乗員さんと分かれ、現地のガイドさんに案内してもらいます。

御嶽内へ入る参道の入り口から早速に、

”神の島”久高島を遠くに臨む ”久高島遙拝所” と、

御嶽の中にある六つの拝所=イビ(神域)の分身とされる六つの香炉を

丁寧に説明してくれました。

 

各イビ(拝所)の前でも丁寧に説明があります。

暑さと神秘的な森や荘厳な岩石に圧倒され、

ガイドさんの説明が耳に入らないこともありました。

ここがいかに神聖で特別な場所なのか、

重厚な歴史と文化と自然に思いを馳せずにいられません。

f:id:minimochism:20240817081746j:image

f:id:minimochism:20240817081915j:image

f:id:minimochism:20240817081942j:image

f:id:minimochism:20240817082003j:image

 

最後に有名な三庫理(サングーイ)の参拝が終わったら、

添乗員さんとの集合時間が迫っていました。

足元に気をつけながらガイドさんと急ぎ足で入り口まで戻り、

ゆっくりお礼を言う間もなく斎場御嶽を後にしました。

 

駐車場から再び添乗員さん運転の車で座真港まで。

ここからフェリーで久高島に渡ります。

向こうで別の現地ガイドさんと合流し散策をすることになっています。

 

f:id:minimochism:20240817082820j:image

 

11時発のフェリーで約20分。

向こう岸の徳仁港の待合所に小さな車が迎えに来てくれていました。

いかにも島人といった出で立ちの貫禄ある男性ガイドさんが、

車で島内をくまなく案内しながら説明をしてくれます。

厳しい暑さのなか、車移動は本当に有り難い・・!

 

ニライカナイへの遙拝場であり、五穀発祥伝説の浜であるイシキ浜。

f:id:minimochism:20240817082215j:image

 

琉球開闢の祖アマミキヨが降臨した聖地とされるハビャーン(カベール岬)。

 

f:id:minimochism:20240817082242j:image

f:id:minimochism:20240817082303j:image

 

琉球開闢(かいびゃく)七御嶽のひとつで、昔からの最高の聖域として、

現在も入り口から奥は立ち入り禁止となっているフボー御嶽。

 

f:id:minimochism:20240817082332j:image

 

美しい海と手つかずの独特な自然に囲まれた見所スポットを、

様々なエピソードとともに次々と説明してくれます。

狭い路地の集落にも車を進めて「これ俺の実家」とまで。

素朴で力強い人柄が素敵なガイドさんでした。

 

約2時間のガイドツアーが終わったあとは、

島の食堂でお昼ご飯を食べ、さらに約2時間のフリータイムです。

私は、島の人々の暮らしが知りたかったので、集落を散策しました。

特徴的な石垣や石門、赤煉瓦、青い空と眩しい緑、

狭い路地を一歩入るだけでも、“神の島”として崇められる独特な文化を

感じとることができます。

 

f:id:minimochism:20240817082409j:image

f:id:minimochism:20240817082917j:image

 

本当はもっともっと歩きたかったけど、

非常に強い日差しと暑さで体力がもたず、

最後の最後に見つけたカフェ「ふがに屋」に立ち寄りました。

ここは、島の小規模多機能介護施設で、デイサービスや介護予防のほか、

島人や旅人が集えるカフェ・サロンを併設しているそうです。

神の島の秘祭、最後のイザイホーを経験した元神女のおばあたちも高齢化し、

人生の最後は生まれた島からニライカナイ(天国)へ旅立ちたいという願いから、

島のみんなの長年の夢として2022年につくられたということです。

祝日のためおじぃおばあぁには出会いませんでしたが、

温かなスタッフの方に手作りのミカン茶を勧めていただき、

ふらりと立ち寄る旅人たちへの温かいもてなしや交流を眺め、

ゆるやかで人間味のある豊かな沖縄時間を過ごすことができました。

素敵な空間をありがとう!

 

f:id:minimochism:20240817082430j:image

 

久高島を満喫し、帰りは高速フェリーで本土へ戻ります。

港には添乗員さんが車で待っていてくれ、約1時間で那覇市内まで。

帰りは迎えと逆の順番で下ろします、ということで、

私は一番最初にホテル前に下ろしてもらいました。ラッキー。

最後まで、至れり尽くせりで大充実のツアーでした。

 

さて、ホテルの部屋で30分ほど休憩し、再び外へ出ます。

前日にコンシェルジュの方に教えてもらった居酒屋に向かいました。

ところが!なんと今日もお休み・・・。

もしかすると夏休みだったのでしょうか。

残念すぎたけど、仕方ないですね。

最後の夜は、地元のスーパーでお寿司を求めて部屋食となりました。

コンシェルジュの方にもご報告したかったのすが、

この日はお休みだったようでお見かけしませんでした。

最後にお礼を伝えることができなかったことが心残りです。

 

こうして沖縄夏旅の最後の夜が更けていきました。

ちなみにこの日は2万歩には届かず、15000歩でした。

最終日に続く・・。

 

f:id:minimochism:20240817083007j:image