富嶽十景

 

3月6日から1泊2日で母とバスツアーに参加しました。
空気の澄んだ時期に10の富士山ポイントをぐるり周遊 、
あぁ絶景かな!「富嶽十景」2日間という旅です。

 

富士山登頂も経験済み、
日本アルプス夏山々から富士山を眺めたこともある母は
雪に覆われた富士山はまだ見たことがないということで
このツアーに一人で参加しようかと思っていたところへ、
有給休暇を取るつもりだった私の日程に合わせて
一緒に出かけることになりました。

 


3月6日。
前日の大雨から一転、青空が広がり絶好の富士山日和です。
朝8:40三宮集合で30名満席のバスが出発しました。

 

出発早々お弁当と土産物の車内販売です。
1日目のお弁当を事前に申し込まれた方々には
後ほど配布するので車内か途中のサービスエリアで食べて下さい、
明日はあまり時間がないのでお弁当購入がおすすめです、と
お昼用、夜用のお弁当申し込みオプションが与えられ、
皆さま座席ポケットに置いてあった封筒にお金を入れて申し込み。
1日目のお弁当も事前に申込んでいなかった私達は、
帰りもなんとかなるでしょうと申し込みはせず。
昔に一度バスツアーでお弁当頼んだことがあったよね、
と遠い思い出を呼び起こしたりしながら
のんびり快適にバスの時間を過ごし、
途中2ヶ所のサービスエリアでトイレ休憩、
最後に浜松のサービスエリアで昼食タイムとなりました。

 

配布されたお弁当を食べる方、
フードコートで食事する方様々に
約20分の休憩で皆急いで昼食を済ませた後、
再びバスに乗り込んでいよいよ最初の目的地
山中湖を目指します。

 

青空の元順調に高速道路を走ってきましたが、
ここにきて空が雲りがちに。
場所によっては地面が濡れ雨が降っていたように見えます。
目指す先の天候が気になり始める私たち。
空模様の移り変わりに一喜一憂しつつ窓を眺めていると、
トンネルに入る直前に左前方にほんの一瞬、
富士山の頂上付近が姿を見せ、
一気にテンションが上がりました。
しかしトンネルを越えるとすでに富士山の姿はなく、
空はまた雲がかっています。

 

見えるかな、見えないのかな、と心配しながら、
3:30頃に1つ目の富士山ポイント山中湖に到着しました。
ここでは自由散策15分、あいにく富士山は見えません。
次こそは…、と向かったのは忍野八海で自由散策40分です。
一部青空がが見えているのに、富士山は見えず。
それでも八つの小さな池の周りや神社を散策し、
写真撮影を楽しむことができました。
ここですでに夕方5時。
今日はこれから石和温泉の旅館へ向かうのみ。
ちなみに宿泊先も3つ目の富士山ポイントとなっています。

 

さて、旅館到着が夕方6時。大広間での夕食が7時。
昭和な旅館は覚悟していましたが想像を超えた昭和レベル。
12畳の広さに合っていない小さなテレビ、
テレビ台は剥き出しの旧型金庫で
給湯ポットはなぜか畳に直置き、
備えつけの台に置かれた電話は懐かしのダイヤル式です。
板の間奥に風呂場もついていましたが、
小さな木のドアを引いて覗いてみても、
入るのは躊躇するレベルです。
作りも備品も全てが古く、思わず笑ってしまいました。
もちろん富士山は見えません。

 

部屋以外も全てが昭和な旅館では、
大広間での夕食の時間も実にコミカルで、
母も私も苦笑しながら楽しく食事を取ったあと、
温泉に入ってビールで乾杯。
ふたりとも早めに布団に入って翌朝早めににまた温泉へ。
7時に朝食をいただいて、8時には旅館を後にしました。

 

3月7日。
前日3つの富士山ポイントが終わり本日は残り7つ。
④河口湖 ⑤ハナテラス 自由散策30分
⑥西湖 写真タイム10分
精進湖 写真タイム10分
本栖湖 千円札の絶景 自由散策15分
⑨白糸の滝 ⑩音止めの滝 自由散策40分
たとえ滞在時間10分でも富士五湖を周れるだけ周る心意気。
さすが10の富士山ポイントをぐるり周遊ツアーです。

 

しかし、その心意気も虚しくこの日は曇天。
なんと富士山を見ることは叶いませんでした。
富士山を見るためのツアーなのに富士山が見えないとは…。
富士山ポイントに入っていない高速道路から一瞬見えただけ!
しかもバスの座席によってはそれさえ見えなかった方もいるはずです。
こんなガッカリはないでしょう。

 

でも、私には母と一緒にバスツアーに参加して、
楽しい時間を過ごしたことで十分満足です。
アルに富士山は見せてあげたかったけど(何しろそれが目的だったので)
湖好きのアルも十分楽しんだはずです。
最後に訪れた白糸の滝はとても美しい滝で、
富士山が背景に見えなくても十分に見応えがあり、
滝好きの私たちはとても満足できました。

 

というわけで、1時頃には全ての行程を終了し、
これからまた高速道路で神戸まで戻ります。
サービスエリアでの短いトイレ休憩にも慣れ、
バスの乗り降りも素早くなりました。
さっとお茶を飲んだりちょっとした食べ物を購入したり。
もちろん各サービスエリアで必ずお土産を買う方々もいて、
そういうところもバスツアーらしくて面白い。
長い移動も苦にならず三宮に到着したのは7時半、
たった2日で富士山の周りをぐるりと巡って帰ってきました。

 

3月6日にきっと富士山を見せてあげたいと強く願ったけれど、
一見もできずじまいの富士山ツアー。ごめんね。
でも、母と楽しい時間を過ごせたことに感謝です。