台湾2日目

 

2月3日(土)

雨。
気温も低くダウンと傘が手放せない1日になりそうです。
昨日楊さんからアドバイスされたとおり、
コンビニでレインコートも購入しておきました。

 

雨のなか朝8時半にホテルを出発。
今日が朝一番に故宮博物院の見学です。
滞在時間が約90分ということで、
楊さんが見るべき展示品だけを選び説明しながら回ってくれます。
しかし楊さん足が早い!
「はい見て!」「はい、行くよ!」と説明の合間に入る指示に
皆が必死に着いて行く様子がコミカルです。

 

ハイライトはやはり「翠玉白菜」と「肉形石」。
人数制限があっても展示エリアは写真を撮る人で溢れ、
多くの人に囲まれた小さな宝物の存在感はさすが。
でもこんな小さな展示物を大勢の人が取り囲み、
皆が写真を撮る様子もなんだかコミカルでした。

 

雨だったので、建物を外側からゆっくり眺められませんでしたが、
限られた時間の中でこれだけ見ることができれば十分です。
少し早いけれど混雑を避けるため故宮博物院を後にしてレストランに向かいました。
有名店の「金品茶楼」での小龍包です。
小龍包以外にもたくさんの点心料理が供され、
朝食を食べたばかりだというのにお腹いっぱい美味しくいただきました。

 

昼食後、ツアー定番のお土産物屋と免税店に立ち寄り、
台北から東に1時間ほどの十分に向かいます。
毎年旧正月に願い事を書いた天燈をいっせいに夜空に放つ
「天燈上げ」が有名なところです。
今日のような雨の中でもどうにか天燈上げ体験ができました。

 

4名1組で天燈の一面ずつに筆で願い事を書いたあと、
お店の人が天燈の中の燃料に火をつけると風船のように膨みます。
天燈の裾を4名で持ってバランスを取ってから一斉に手を離すと
浮力に乗って天へのぼっていきました。
狭い単線の線路脇にたくさんのお店が並ぶ光景や、
膨らんだ天燈が線路上から放たれる風景はなんともノスタルジックです。
雨で写真こそ楽しめませんでしたが、天燈上げもできて満足でした。

 

雨脚が強まる中、次に向かったのが九份です。
標高が高いため気温が少し下がるとは聞いていましたが、
風が強く折りたたみ傘は危ないという事で、
コンビニでの購入した薄いレインコートを着用し、
アーバスを降りて路線バスに乗り換えます。

 

レインコート姿の人で満員のバスから降りたあと、
さらに強まる雨と風を受けながら狭い階段を登ります。
狭くて混み合う道で皆からはぐれないよう着いて行くのに必死。
前の人の靴を見ながら進むのに精一杯で周りを見る余裕はありません。
何かのアトラクションか罰ゲームとしか思えない状況に、
カメラを取り出すことも不可能です。

 

軒下に赤い提灯が連なる外観が九份のランドマークになっている
有名な茶芸館の向かいにあるレストランが夕食会場です。
まずはその夕食会場の場所の前まで皆で行動し、
約50分ほどの散策時間が与えられましたが、
こんな状況下で散策をするのは難しいと判断して、
妹と私はそのレストランでお茶を飲んで皆の到着を
待つことにししました。
全員が少し早めに戻ったところで早々に夕食となりました。

 

楽しい夕食も束の間、再び濡れたレインコートを被り、
さらに寒さが増し強まる雨風の中を下山します。
皆が雨に打たれながら一例で黙々と歩く姿はあまりに非日常的すぎて、
まるで難破船からの脱出のようです。
路線バスの到着を待つバス停でも人が溢れ帰り、
屋根もない吹きさらしの場所でいつ来るのか分からないバスの到着を待つ間、
容赦なく強い風が吹き、レインコートもめくれ上がります。
もはや靴はびしょ濡れ、袖口からも水が入ってきます。
気が遠くなりかけたその時ようやくバスに乗り込むことが出来ましたが、
バスの中全員が薄いレインコートを着て黙々と運ばれる様子は、
まさに難破船からの救助シーンのようでした。

 

なんとか下山しツアーバスに乗り換えることができましたが、
さすがの楊さんも、「今日が一番酷かった」と言っていました。
この時期は比較的寒く風が強く雨が多いそうですが、
ここまでひどいことはないそうです。
本当にまるで台風か何かのようでした。
というわけで、九份については全く観光せず景色も一切見ずに終わった次第…。

楽しみにしていたのに残念でしたが、忘れられない思い出にはなりました。

 

ホテルに戻りエレベーターの鏡に映る自分たちの姿に
思わず大笑いの2人。
手は荷物で塞がれ雨に濡れてなんだかボロボロ。
旅行に来たはずなのに何故か罰ゲームのような姿。
こんな姿日本ではまずお目にかかれません。
部屋に戻るとすぐにお風呂に湯を張って妹と交代で体を温め、
この日も早々と眠りにつきました。