久しぶりの映画

 

昨日の夕方、久しぶりに映画を観に行きました。

と言っても、新作映画でも大きな劇場でもありません。

昨年公開の日本映画『愛を積むひと』。

市民ホールでの“映画サロン”旧作上映です。

 

映画のサブコピーが、

「次々と届く、亡き妻からの手紙。

想いは積み重なり、やがて希望となる------」

 

決して大げさではなく、このシチュエーションだけですでに涙が出る私は

最後までこの映画を観ることができるかどうかと心配でしたが、

料金たったの500円、仕事帰りに行ってみることにしました。

 

土曜日出勤のあとに、

こんな所帯じみたベントに向かう自分が可笑しい。

もう若くないからね~なんて自嘲しながら会場に着くと、

広くはないホールは両親世代の方々がいっぱい。

急に自分がとても若く感じられました。苦笑

 

映画は、北海道の美しい自然を背景に、

夫婦の愛、家族の愛、人との絆がオーソドックスに描かれ、

確執、喪失、寛容、希望といったテーマは普遍的でありながら、

非常に日本的なヒューマンドラマでした。

 

多少古めかしい設定であることも否めませんが、

私だけではなく、会場のほとんどの人が、

どこかで同じような経験をしたことがあるからでしょう、

上映中は何度もすすり泣きが漏れ、上映後席をすぐに立つ人もいませんでした。

 

そんな映画に個人的なおまけも。

全く注意を払っていなかった配給会社がかつての勤務先でした。

上映開始の先付けに懐かしいロゴ。(多少変わっているが)

すっかり忘れていたので目にしたときはびっくりしました。

そして、上映後のクレジットには、覚えのある人達の名前がちらほら。

 

映画の仕事を辞めてすでに10年(!)。

石を積み、愛を積み、私を守る壁はあの頃より遥かに頑丈になりました。

これからの積み重ねを見守ってくれる存在を感じながら、

ゆっくりがんばりたいと思います。