カンボジア日記 番外編

 

無事にカンボジアを発ち、

楽しい旅行を終えようとした矢先の珍エピソードを番外編に。

 

7時50分プノンペン発VN383のboarding timeは7時。

時間どおりきっちりと搭乗口で待っている大多数の日本人乗客をよそに、

アナウンスもないままに搭乗が遅れています。

状況が分からず、皆が立ち上がったり、そわそわとし始めた頃、

やっと搭乗が始まり飛行機は何事もなくハノイへと向かいました。

 

わずか1時間40分のフライトですが、

ハムや野菜を盛りつけたプレートにパンにデザートという軽食が

気持ち程度に供されます。

空港に向かう前、きっちり夕食を済ませているにも関わらず、

出されたものには手をつけるツアー同行者の皆さま。

(チェックインは別々でしたが座席は皆同じあたりに)

 

飛行機に乗る直前から若干お腹がゆるいように感じていた私は、

手をつけずに飲み物だけ。

飛行時間が短いため慌ただしく片づけが始まって、

あっという間にハノイに着陸となりました。

 

実は着陸する前にお腹が痛くなり始めていた私。

飛行機を出てすぐにお手洗いに入ります。

予期せぬ腹痛と吐き気が急に襲ってきて、

お手洗いを出たそばから歩くことさえ苦痛になってきました。

 

とりあえず次の便への乗り継ぎがあるため、

空港内の表示に従って前かがみの姿勢でゆっくり進みます。

すでに同乗者たちは遥か先を行っていますが、

関空行きVN330の搭乗は深夜近い11時40分と時間に余裕があったので

途中お手洗いのサインを確認しながら、列に並びました。

 

列を離れてトイレに行く方がいいか、

あと少しだから我慢した方がいいか、

この場をしのぐことに必死で余裕のない私。

やっと順番が回ってきてパスポートにスタンプをもらい、

ゲートを通過したところにあったお手洗いに入りました。

 

「あれ?スタンプ?」

 

心配そうに私の様子を見ている母にひとこと。

「私たち、ベトナムに入国してますけど?!」

お手洗いのサインに必死だった私は、

乗り換えルートの途中にあった入国審査の列に並んでいたのです。

きょとんとしていた母も状況を飲み込み、ふたりで大爆笑。

 

早く再入国をして関空行のフライト搭乗口に行かなくては!!

近くにいた空港関係者の方々に事情を説明し、

失笑のうちに指示されながらいそいそと出国審査へ。

 

列に並んだその間、ついに関節痛が始まって、膝ががくがく。

お腹もいたいし吐き気もするし、全く余裕はありません。

 

順番が回ってきたところで、

パスポートを提出しオフィサーに事情を説明。

入国スタンプの横に並んで出国スタンプを押してもらい、

「後ろに続く女性は私の母で同じ(状況)です」と一言補足して、

お手洗いへ一目散。

母とふたり、まさかのベトナム10分間滞在を終えました。

 

それにしてもの珍エピソード。

この珍道中を経て乗り継ぎ便搭乗口に到着したときには

多くの日本人搭乗客がすっかり冬支度の衣装に着替え、

仮眠を取ったり本を読んだりおしゃべりをしながら、

最後のフライトを待っています。

 

一方の私は、激しい悪寒に襲われ震えるばかり。

ようやく搭乗が始まったので、

機内のフライトアテンダントに薬をもらい、

何事もなきよう祈るように眠りにつきました。

 

このときすでに日付が変わって2月3日。

母の70歳の誕生日です。

本当は機内サービスのワインで乾杯をつもりでいたのですが、

この失態により残念ながら祝杯をあげることができず。

母がひとりで赤ワインを飲んでいる姿を半目で見ながら、

私はただただ眠ることしかできませんでした。

 

おかげさまで薬が効いたのか、

悪寒や発熱、体の痛みは治まり、あとは胃腸の具合のみ。

関空に到着したときにはそれほどひどくなかったので、

入国審査を順調に手際よく済ませ、

リムジンバスで無事に家まで帰ることができました。

 

実はそれから丸10日、

それはそれはひどい下痢と胃腸の痛みが続きました。

完全に食中毒かウィルス感染です。

 

現地では一切生水や氷は取りませんでしたが、

食器や食材を洗う水がミネラルウォーターのわけがなく、

あるいは朝食の際に食べた果物とサラダが悪かったのか、

はたまたオールドマーケットでツアーの同行者のおばさんが

よかれと思って皆に分けてくれたドラゴンフルーツ

(その場でカット売りしていた果物)が悪かったのか。

何が原因かは分かりませんが、それにしてもひどかった・・・。

母に何も症状が出ていないのが何よりです。

 

こんなことも含めて楽しかったアンコールワット(+ベトナム)旅行。

最後に母と祝杯をあげることができなかったことだけが心残りですが、

それはまた別の機会に。

お母さん、誕生日おめでとう!!

 

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