1日目:1月30日(土)
大混雑のチェックインカウンターとセキュリティチェックで、
搭乗までの寛ぎの時間はごくわずか。
それでもせっかくの旅の始まりに母とコーヒーを飲み、
ハノイ乗り継ぎ便の離陸が少し遅れましたが、
1時間40分のフライトでカンボジアのシェムリアップ空港に到着。
こんなに美しい夕日に迎えられました。
空港出口に現地ガイドのティーさんが迎えに来てくれていて、
初めて他のツアーメンバーとも落ち合いました。
今回のツアー同行者は計10名。
3組のご夫婦と一人参加の男女各1名に私たち母娘、皆が私の両親世代です。
皆が揃ってからバスでホテルへ向かい、
ロビーでガイドさんが必要事項を説明し始めたのは
現地時間夜の7時(日本時間9時)。
丸一日の移動で疲れているから早く部屋に入りたいと思っている私をよそに、
ツアー参加の皆様から飛び交うどうでもいい質問の数々。(失礼!)
「部屋にお湯を沸かすポットはありますか」
「明日の朝の朝食にコーヒーは出ますか」
ティーさんが親切に答えるたびに必ず何か質問するの繰り返しで、
やっと部屋に入ったときの半端ない疲労感。
さらに冷蔵庫に入っていた缶ビールで母と乾杯しようと思ったら、
缶ビールのもろいプルトップが取れてしまうまさかのアクシデント。
フロントに電話しようにも一向につながらず、
一体どうなっているのかとイラ立つ私をなだめる母と
気を取り直して1本のビールを仲良く分けて乾杯!!
なにはともあれ、無事にカンボジアに到着することができました。
明日からが楽しみです。
2日目:1月31日(日)
ホテルでバイキングの朝食後、8時50分にロビー集合。
この日の午前中は世界遺産アンコール・トムの観光から。
「大きな町」という意味をもつアンコール・トムは、
11~12世紀にかけて建設された巨大都市。
周囲約12kmの城壁内に十字に主要道路が配置され、
その中央に「クメールの微笑み」と呼ばれる四面仏顔の
観世音菩薩が刻まれるバイヨン寺院があります。
まずは入り口となる南大門。
城門の塔には東西南北の四面に観音菩薩の彫刻が施され、
株には3つの顔を持つ象が刻まれています。
巨大かつ繊細な姿にすでに圧倒されます。
さらに進んでバイヨン寺院へ。
中央祠堂を二重の回廊が取り囲み寺院全体が
54塔もの観世音菩薩の四面塔に包囲されています。
回廊壁面には美しい浮き彫り(レリーフ)が施されており、
重厚さと繊細さに目移りしていると
自分の立ち位置を見失う複雑な構造となっています。
観光客も多く、自分のグループからはぐれないようにするのが精一杯で、
ゆっくりと鑑賞する余裕など全くありません。
次に空中参道を通って、3層からなるピラミッド型寺院パブーオン、
さらに進んで赤く輝くピミアナカス寺院を見物します。
女池、男池、王宮跡を通って、最後にアンコール・トムの北門へと続く
王族たちが閲兵を行ったという象のテラス、ライ王のテラスに辿り着きました。
さて。この一巡だけで見どころいっぱい。
覚えきれないカタカナの名前と
それに付随する情報で頭が追いつきません。
そしてこのうだる暑さ。
全員が疲れた顔をしているところでタイスキの昼食を取り、
ホテルへ戻って約2時間の小休憩となりました。
シャワーを浴びて足を延ばしながら、
ガイドブック片手に午前中のツアーをざっとおさらい。
分かったようで分からないまま、
3時40分ロビー集合で午後のツアーへ。
皆さますっかり衣装替えをして爽やかにご登場。
これからアンコール北東周辺の遺跡を巡ります。
まずは、王が沐浴するための池とされるスラ・スラン。
石がゴツゴツしたイメージの強いアンコール遺跡群の中にあっては
とても開放的で天上の楽園のようです。
ここから高い木の間の小道を歩いてバンテアイ・クデイへ。
ここは多くの アンコール寺院の1つですが、
建築が不完全で質の悪い砂岩が使われていたために荒廃し、
現在は上智大学国際調査団の修復を受けているそうです。
さらに進むと、遺跡に絡みつく樹木に圧倒されるタ・プローム
巨大なガジュマルの根が遺跡を覆い尽くし、
まるで遺跡と一体化している姿は圧倒的かつ神秘的で、
奥深い自然の中で手つかずのままに放置されてきた寺院が
見てきたであろう長い時の経過に思いを馳せました。
夕方の陽射しで美しく照り輝く遺跡を後にバスに向かうとき、
夕日が門に刻まれた菩薩像の横顔を浮かび上がらせていました。
大満喫の午後のツアーも終わり、
夕食会場へ向かう前に団体ツアーにつきもののお土産物屋さんへ。
みなで共同購入して値切ろうと必死のツアーメンバーを横目に
何も買わない母と私。
皆様の値切り自慢がバス内で繰り広げられたあと、
カンボジアの伝統舞踊アプサラダンスを鑑賞しながらの
ビュッフェディナーです。
大人数収容の会場で観ることができたアプサラダンスは、
煌びやかな衣装や繊細な手足の動きが素晴らしかったけれど、
相当たくさんの人数が一斉に狭いビュッフェコーナーへ並ぶので、
なかなか食事をとることができない上に、
料理がすぐになくなってしまうことには閉口。
両方含めておもしろい経験でした。
というわけで、てんこ盛りの観光初日は無事に終了。
炎天下たくさん歩いて体力消耗。
あっと言う間に眠りに落ちました。
続く